![]() |
B:さ、早速お迎えしたいと思います。
要:久々の女性ゲストなんでね、賑やかになると思います。ご紹介しましょう。石原千宝美さんです〜!
(画面左から石原さん登場。要さんBUTCHさん拍手)
B:ようこそおいでいただきました!またキュートなんだ、これが。以前同じ現場で(要さんと)お会いしたことがあるとか?
要:そう。初めて会った時からこの笑顔でしたからね。その現場というのが、あれは小田和正さんのクリスマススペシャル(TBSテレビ「クリスマスの約束」)でしたね?
石原さん(以下「石」):そう。クリスマススペシャルで。<「打ち上げであの人と…」> 要:その後に打ち上げがあったんですけど、ぼくはほかのスタジオがあってそこに行ってて、(要さんを除く)メンバーだけが打ち上げに行ってたんです。そこでウチのメンバーといろいろと親しくしていらして…。
石:そう、そう、そう(笑)。
要:その親しくしてたメンバーって誰ですか?って聞いたら、ドラムの寺田だったんだ。「無口な」寺田と30分話してたらしいじゃんか。
石:ウチのスタッフが見てたわけですよ。「千宝美、何処へ行くんだろう?」と。「何かシブいとこ飛び込んで行ったぞ」って(笑)言ってたらしいんですね、マネージャー陣は。それで「出てこないね、あの(話しの)輪から。喋ってる、喋ってる」とみんな言ってたらしくて、気が付いたら私、電話番号までゲットして(笑)。
要:寺田なんてさ、オレとだって5分話せるかどうかだよ。いつも話題に詰まっちゃってさ。
石:そうなんですか?(爆笑)
B:詰まる、って、要さん、何年一緒にやってるんですか?
要:もともと無口なんだから、あいつ。
石:そうなんですか?結構盛り上がっちゃって。
要:そこでね、恐らく一生分ぐらい使い果たしてると思うよ。だから、そのあと一年ずーっ、と静かにしてますから。<「編入で大阪へ」> 要:プロフィールを読んだら、結構転々と。
B:お生まれは愛媛ですよね?
石:松山でした。それで山口…。
要:山口、それで大阪。大阪はどちらだったの?
石:大阪は柏原の方に。それで今東京にひとりで。(大阪での高校入学時)私、編入生なんですね。山口に住んでる時、山口の高校に受かってたんですよ。なのにお父さんが「転勤や」って。そうすると、急に(親が)転勤になった人は無試験で同じレベルの高校に入れる、っていうので入れてもらったんですけど、山口の子から「千宝美ちゃん、山口から大阪行くんやろ?絶対いじめられるけんね。あんたね、ぶち(とても)田舎なんじゃけぇ、山口」って言われたから、「〜けん」とか言っとったらあかんねんな、と思って大阪弁をヒアリングしてたんです。「な。な。せやねん。な」みたいなこと言ってたら、結構ばれへんで、1か月ぐらい過ぎて「実は…」みたいな話しで。全然いじめられるどころか友達増えて。<「父の影響で音楽を」> B:どの辺から音楽を?
石:父親が音楽好きで、ピアノを独学で、ピアノがまだ買えない時期に紙の鍵盤で練習してたりしたタイプで、割と音楽がいつも流れてました。ジャズとかも流れてて。父は今年59歳なんですけど、自分が好きな音楽を選んでテープに録音して置いてあったんですよ。それを私が勝手に聴いてたら、その中に要さんの、きょう一緒に歌わせてもらおうと思っている…。
B:このあとおふたりのコラボレートで「木蘭の涙」を歌っていただくんですけど(この模様は次回)、それが入ってた、と。
石:入ってたんです。そういう日本の音楽を割とどっぷり聴いて育ってるんです。それで洋楽デビューが遅くて、高校出てぐらいの時に「クラブで歌を歌わないか?」と誘われて。私、クラバーでも何でもないんで、びびりながら、ま、歌う場所が欲しかったというだけで(クラブに)行って、その時初めて洋楽というかブラックミュージックみたいなのを聴くようになって。その時って「歌を上手に歌おう」と、割とテクニックの方に走ってる部分があって、「上手く歌おう。気持ちとかではなくて、上手に歌おう」というのがすごくあったんですね。で、ある時知り合いが「これ、聴いてみ」って言って、キャロル・キングの「タペストリー」(つづれおり)をくれて。
B:これは名盤中の名盤ですね。
石:それを聴いた時に「あ、間違えてるかもしれない」って。あったかい、温度がある感じ、と言うか。彼女は全部自分で曲を書いてて、勿論歌が上手いのはあるんですけど、「上手いというくくりじゃない」とか思って。
要:あの人はある種の天才ですよね。特にあの頃の白人たちが作った音楽を、あの彼女の音楽を、好んで歌ってたのは黒人だからね。
B:それがすごいですよね。言ってみれば逆輸入というか。
石:やっぱり背景とか気になっちゃって、「どういう心境でこのアルバム作っちゃうんだろう?」とか思ったら、やっぱり離婚した時とかに作ったり…。
要:そうなんだよね。
石:私もすごいハッピー過ぎると、どうしても曲作りがままならぬ感じも…(笑)。
要:彼女は男で音楽が変わっていったの。最初はジェリー・ゴフィンという人と一緒にソングライターチーム組んで、その後チャールズ・ラーキーというベーシストと一緒になったりとかして、彼女の音楽観は変わっていったんだけどね。
これはジョニ・ミッチェルもそうだよね。女性にとって男は大きいね。でも、ま、ミュージシャン同士でお互いに影響しあうのもあるかもしれない。
石:そういう意味では女性から見ると女性っぽい、って言うんですか?同じ「女」という生き物として、それがまた近くに行けると言うか「あ、女だなぁ」っていう。そういう変わっちゃうところも。
B:その「女だなぁ」っていうところで、この「見つめていたくて」という曲、カップリング「思ってもいないこと」もそうなんだけど、歌詞も「ほかの女の影は分かってるんだけど、あたし、虜だし、離れた方がいいんだけど、吸い寄せられてゆく」みたいなね。M:「思ってもいないこと」(石原千宝美/スタジオライブ) ほんとうは大好きなのに、ほかの女性が好きであろうその彼に対しては、自分の思いとは裏腹に、気を惹こうとつい後ろ向きな言葉を投げてしまう、という女性の心情を歌った曲。誰しもが共感できるであろう恋の機微を、石原さんが持ち味のアルトヴォイスで、切なく歌い上げておりました。
<「作詞について」> 要:やはり自分の日常を切り取ることが多い?
石:今まで特に、ほんと多くて(笑)、やっぱり自分が経験したことがすごく出ちゃうんですよね。でも、あんまり「自分が、自分が」って書いてると、自分の日記みたいになっちゃいますしね(笑)。
要:で、恥ずかしいしね。
石:(笑)。
要:そこにミュージシャンっていうのは、ひと色ふた色加えて、それを拡大解釈してゆくんだよな。
B:相対化してゆくっていうか、その本質だけ抜いてゆく、とか。
要:その方が絵になるしね。自分があんまり100%出るとね、歌えなくなるもんね。恥ずかしくて。
石:そうですね(笑)。
B:でも詞って100%その人が出ることによって、生きる人もいますよね。昔で言えば吉田拓郎さんとか。
要:確かにね。メッセージ性の強い人はそうだろうね。
B:だから「ザ・ハイロウズ」とか「ブルーハーツ」で思うけど、あれだけガツン、ガツンと来て、でも、よく聴くと実はそれだけじゃないんですね。ちゃんとミュージシャンとしての計算もあるわけなんだけど。要さんはどうなんですか?詞書く時は?
要:ぼくは長い歌詞が嫌いなの。簡潔に書いてる、っていうかね。嫌い、って言うと何だけど、千宝美ちゃんのやつって意外と長めじゃんか。
石:長いです。
要:さっきも言ったけど、詞を書いてる人たちっていうのは、そうやって自分の感情を少しずつ吐露してゆく部分があると思うんだ。ぼくは、歌詞っていうのはなるべく重複させたいんだよね。サビっていうのは出来るだけ同じ歌詞で行きたいの。でも「ここはもう少し広げた方がいいんだろうなぁ」と思ったら歌詞変えたりすることもあるけど。昔のジャズなんか歌詞は全部1番しかないわけ。2番はフェイクで歌ってたりするんだよね。それが好きなのね、ほんとうは。なるべく短い方が。その方が忘れないしさ。あんまり長いとすぐ忘れちゃう。
石:(笑)。
B:ちょ、ちょっと…。あ、そういうこと?(笑)
要:うん(笑)。<「最近ギターを始めた」> B:最近ギターを始めだした、という。
石:そうなんですよ。最近ギターを始めて。
要:ぼくと同い年のアコースティックギターを弾いてる(丸山)ももたろう、っていうのがいるんですけど、そいつが(石原さんの)先生なんだって。
B:それはどういう繋がりなんですか?
石:実はデビュー前にももさんのギターをライブで聴いて「えっ、アコギってこんな音がするのか」と。ちょっと「一聴き惚れ」ですよね。その時東京に出てきたばっかりで恐いものなかったんでしょうね。「あたし、もうすぐ東京に出て来るんで、何かあったら手伝ってください」とかわけの分からんこと言って(笑)、そしたら「あ、ええよ」って言われて、ま、何処までほんとかな?って思ってはったと思うんですけど。で、ライブする場所を自分で見つけてきたんですね。でも演奏が(自分が)出来ないのでとりあえず(丸山さんに)電話しよう、と思って電話したら「ほんまにかけて来たわ」みたいな感じで(笑)。それから2年ぐらいライブを一緒に。
要:あのね、(丸山さんは)「誰想彼〜たそがれ〜」っていうソロアルバムを出してるんだけど、これがまた泣けるぐらいいいアルバムで、オレも夜ぼーっ、としたいときって、いまだにそのアルバムを聴くの。ウチの番組に(元)憂歌団の
内田勘太郎が来てくれて、彼もああいうソロアルバム(「チャキシングス」)出してるけど、ほんとにぼくは勘太郎のアルバムと、ももたろうのアルバムはよく家で聴いてる。すっごい落ち着くし、いい音出すね。
石:「楽器が歌う」という感じが初めて分かった人かもしれないですね。
要:メロディも「和」なテイストがあってね、いいんだよ。
石:自分は歌を歌ってたので、歌しか聴かなかったんですよ、基本的に。若い時は歌を歌っている人しか知らないし。歌しか聴かなかったのが、何か「楽器も歌ってるんだな」という…。
要:ももたろうってさぁ、また不細工な顔してるんだよ。
石:(笑)。
B:余計なこと言わなくていいじゃないですか。
要:オレも人のことは言えないけど、思ったよ。ももたろう見ててさ、「天は二物を与えないんだなぁ」って。ほんと。あとギターがむちゃくちゃ上手い、山下達郎さんとかの後ろで弾いてる佐橋(佳幸)くん。ギターは天才的に上手いけど、「ルックスがなぁ」って(笑)。ま、ある意味で芸、という言葉でひっくるめたらあれだけど、そこまで行くためには、自分のコンプレックスだったりがきっと作用すると思うんだよ。オレだって吉川(晃司さん)みたいな格好してたら、こんなにチマチマやってないよ。「どうだ!」とオレもモニターに脚掛けて歌っちゃうよ(笑)。
石:(笑)。
要:エリック・クラプトンみたいな人は滅多に出ない。きっと。ルックスもいいしテクもある、というのは。だってジェフ・ベックなんか見てるとものすごく汚いもん。
石:(笑)。
B:えっ?何が?
要:普段の格好が。天才ギタリストでしょ?ジェフ・ベックって。その人なんかさ、ステージとか見てると、ズボンとか汚れてたりするんだよ。
石:私、ジェフ・ベック見に行ったんですよ。5列目ぐらいで。
要:汚れてるよね?
石:汚れてました(笑)。
要:あれは何でかっていうと、ギターって(弦を)滑らせるものがあるの。パウダーみたいなやつが。それを、普通(滑らせる)液体とかパウダーを(弦に)つけるじゃんか。そしたら手ぐらい洗うじゃん。あのおやじ、ここ(ズボン)で拭くんだよ(笑)。だから出てくると、ここ(ももの辺り)が真っ白になってるわけ。「何だ、あの模様は?」と思うもん(笑)。
石:(笑)。
B:それじゃあまるで昭和初期の「はな垂れ小僧」じゃないですか(笑)。
要:ここ(袖口)がかぴかぴになっちゃうのと同じだよ。「おいおい」と思ったけど。でもギターはものすごいわけ。ほんとに歌う感情以上にあのギターがいろんなことを見せてくれたりするけど、汚いんだよね(笑)。で、ここ(股間)がボタンのやつだったりすると一個開いてたりとかね。よく分かんないんだけど、すごいんだよね。
石:(笑)。<「コラボレーションLIVE」> B:今週はビートルズ、と言うかジョン・レノンのナンバーですけど、「アクロス・ザ・ユニバース」。これはどちらの選択なんですか?
要:これは千宝美ちゃんが「歌いたい」って言って、ぼくにMDを「送りつけて」来たんです(笑)。
石:「その節は」みたいな…(苦笑)。
要:「アクロス〜」は知ってるぞ、と思ったらぼくの知らないバージョンで。あれは誰だっけ?
石:フィオナ・アップルという人のバージョンなんですけど。
要:オレはきょうここに来て歌えばいい、と思ってたんだけど、ギターが(石原さんのキーより)低いわけ。「待て待て。これキーが『E』だぞ」って(笑)。ジョン・レノンのキー(アルバム「LET IT BE」のバージョンではD♭)じゃないんだよね。ちょっと間違うかもしれないけどね。M:「Across The Universe」(Fiona Appleバージョン)
編成/石原さん;ヴォーカル
要さん;アコースティックギター・ヴォーカルここでは石原さんに合わせてキーは「E」。石原さんと要さんが交互にヴォーカルを取り、サビの"Jai Guru De Va Om. Nothing's gonna change my world…"で要さんが3度下のコーラスを取る展開。時折アイコンタクトを取るおふたりの姿が、実に微笑ましいのであります。
B:いやぁ〜、いいっすよ、いいっすよ。
要:やっぱり生で楽しんでいただくとね、ずーっ、と練習に練習を重ねてきた、わけじゃない(笑)、曲の良さ…ものすごい負け惜しみ言ってるけど(笑)…楽しんでいただけたんではないでしょうか?この言葉から、要さん、今回のセッションは自らのプレイに少々悔いが残ったご様子でした。
<「デビューまでのいきさつ」> B:デビューのきっかけというのは?
石:大阪に住んでる時にアルバイトでラジオ局のAD(アシスタントディレクター)をやってたんですよ。要するに「お茶だ、弁当だ、コピーだ」っていうのをやってて、たまたま局の廊下を歩いていたら「ちょっと、お前、中(スタジオ)入って喋ってみろ」って言われて、わけ分からんで喋ったら、それがDJのオーディションだったみたいなんですね。それで受かってしまい、「来月からよろしく!」って(笑)。
要:人、いないんかい?その局(笑)。
B:(笑)いや、才能があったわけでしょう。
要:だけど廊下歩いている人を呼ばんだろう?
石:いや(笑)、気には掛けてくれていたみたいで、突然DJをやることになって。
要:それは局の中で「私、ほんとは中で喋りたいんです」みたいなことを言ってたの?
石:いや、「歌を歌いたいんです」とは言ってたんですけどね。その頃からラジオのCMの歌を歌ったりとかしてて、だんだんと「ちゃんと一曲歌いたい」という欲が出てきてた時で、「歌、やりたいんです」とは言ってたんですよね。でもDJをやることになって。
要:CMの歌って難しいもんな。オレもアマチュアの時ちょこっとバイトで歌わされたことがあったけど、全然歌えないよね。
石:そういうのをやってたんで、一応「歌歌いたいんです」みたいには言ってたんですけど。DJを3か月間だけやらせてもらったんですけど、「どうしたいの?」って聞かれた時に「やっぱ私、歌が歌いたいんで、東京行きます」って、そのあと上京したんです。
B:それは何の保証もなく?
石:ないです。
B:「裸一貫」ってやつ?
要:「裸一貫」…(苦笑)。
石:もう、引っ越し代のみ、って感じですね。
要:それは「誰々を頼って行けばいい」っていうのはなくて?
石:なかったんですよ。勿論ちょびっと知り合いはいたんですけど、別にそれで何を頼って、というわけでもなく。あれは何の勢いだったんでしょうかね(笑)。
B:それはいくつの時?
石:21ですね。それで、カレー屋さんでバイトしつつ(笑)。
要:カレー屋さん!(←カレー大好きの要さんらしい反応)何処のカレー屋だったの?
石:これ、言ったらすぐ分かりますよ、ほんまに。
B:(ライスを)型でぽこっ、と(盛りつけ)するところ?
石:いえ、ちゃんとグラムで量って。
B:あー。「辛さのランク」があるところ?
石:ありますね。中辛とか(笑)…そこで働きつつ、で、ももさん(丸山ももたろうさん)とライブをして行く中で、自分で曲を作ってたりとかはしてたんですけど。ライブをしている中でいろんなミュージシャンの方と出会ったんですね。その中でデビュー曲の「冬の匂いが消える頃」を書いていらっしゃる、森たまきさんに出会って「一緒にやってみない?デモを作ってみない?」という話しになって。「冬の匂いが消える頃」って、好きな人が離れていっちゃう歌なんですけど、私もドンピシャそれがあったりとかして(笑)「これ、歌いたいです!」っていう気持ちがすごくあって。で、今まで自分の曲を自分で書いていたので、人の曲を歌う、ということが全然頭になかったんですね。なのに、自分が同じ気持ちになれる。「人が書いたものやのに、何でこんなに共感出来んねやろう(出来るんだろう)?まさに言いたいことを言ってくれてる」っていうので、初めて「人の曲を歌ってみるのもいいんじゃないかな?」と。こんだけ共感できることやったら、別に私が私の歌で伝えれば、誰が書いていようと関係ないやないか、と思えるようになったんです。で、一緒にデモテープ作って、それを大阪のFM局に持っていったんです。「こんなんやってるんです」って(笑)。そしたら「何?お前まだやってんのか?頑張ってんのか?…(曲)かけたるわ」って言ってくれて、MDで持って行ったら、オンエアして下さって。
要:それはデビュー前だったの?
石:デビューする前です。そしたらファックスとかメールとかがすごい勢いで返ってきて「すごいよかった」「何か力が湧いて来た」って(メッセージを)いっぱいもらって、結構ウルウル来ちゃって「頑張れる。光が見えた」と。そこでレコード屋さんとお話しして「テープを売り出そうじゃないか」と。「100本売れたら、デビュー前やけどインストアやらしたるわ」って言って、100円カセットの2曲入りを100本置かせてもらって、1日で100本売れて。その時「1日で100本売れないとインストアできない」と言われてたんで、「ダメかな、きょうは」と思って薬局で買い物してたんですよ(笑)。そしたら電話で「今、全部売れました」って。
要:おー、すごいね。
石:マツキヨの隅で「がーっ!!!」(←号泣)みたいな(笑)。(泣いているその姿は)「あいつ、絶対男に振られてるよ」みたいな(笑)。それでレコード会社が決まって、デビュー曲が、その時デモテープを作った「冬の匂いが消える頃」なんですけど。M:「冬の匂いが消える頃」(石原千宝美) この曲は個人的によくFMで聴きました。自らの体験とオーバーラップする、というこの曲は、彼女にとっての財産になったことでしょう。それが感情を込めて歌う姿に十分表れておりました。
<「石原千宝美にとっての“LIVE”」>
石:私が所属しているアロハ・プロダクションズのみんなで、’70年代の邦楽のカヴァーアルバム(「あろは」)を作ろう、と。
要:聴かせてもらいました。
石:ありがとうございます。で、私は「Aloha All Stars」で、何本か同じライブをやらせてもらったメンバーと「翼をください」を。斎藤誠さんとSkoop On Somebodyと…(「Aloha All Stars」は、ほかにSAKURAさん、平松八千代さん、鈴木桃子さん)。
要:あれは、選曲はそれぞれがしたの?
石:みんなが、自分がやりたい曲をやったみたいで。私が参加している「Aloha All Stars」(「翼をください」)は、みんなで歌えたらいいよね、というので。「あろは aloha all cast presents "12 smile & pray"」
(ソニー・ミュージックレコード)要:やっぱりライブはたくさんやりたい方?
石:やりたいですね。歌を歌いたい、と思ったのはライブのおかげなんですよね。最初にCMの曲を歌ってた時って、マイクの前で「誰に私は歌っているんだろう?」って。「何に対して、誰に聴いてもらおうと思って歌っているのかな?」というのがあったのが、最初のライブの時、お客さんが5人来てくれたんですけど、でも5人のために歌う喜びがすごいあったんですね。それは30人になっても100人になっても一緒で、「私はこうやって歌を聴いてくれる人がいるから歌えるんだ」という対象が見えた時に「私、歌っていこう」と思えたんで、ライブがあればどんなとこでもいい、と。「ここに歌いに来て」と言われたら、逆にフットワーク軽く行きたいな、と。それでギターを始めたところもあって。ギターって割と「旅がらす」系じゃないですか(笑)。
要:そう。だからさだまさしさんは(ライブが)3千回出来ちゃうんだから(笑)。あれがピアノの人だったらああは行かないよ。
石:(笑)。
B:そうですね。「マッターホルン(←ほんとうは「アルプホルン」)」専門奏者だったらもっと大変ですね(笑)。
要:「チューバ」だったら大変だから。
石:だから早くギターも出来るようになって、いろんなところで触れあえたらいいな、って。
要:いや、ライブってまさに彼女の言う通りだと思うね。
B:その辺聞いてて、要さんが普段言ってることと同じだな、と思って。
要:やっぱ(聴く人が)目の前にいて、「おーっ!」って言ってくれたら嬉しいよね?
石:嬉しいです。
要:レコーディングなんか「はい、OK」だもん。「『はい、OK』じゃねえよ」って(笑)。こっちは真剣に歌っててさ、「よし、今のはどうだ!」「はい、OK」「『はい、OK』!?」(笑)。もっと「あ〜〜〜!オレは今むちゃくちゃ感動してる〜〜〜!」って言われたいわけ、トークバックで。
石:(爆笑)。
B:改めて(おふたりが)同じ話しをしているな、と思って、すごく嬉しいな、と。
要:だからこの「LIVEやろうぜ!」がきっと「生」な思いを伝えるためにやってる番組だな、と思うし、と言いながら録画でお送りしているんですけどね(笑)。
B:それは言わないの(笑)。
要:ま、それはいいんですけどね(苦笑)。<「コラボレーションLIVE」> B:何と今週は「木蘭の涙」!
石:これも私のリクエストで。
要:これがお父さんのテープに入ってた、と。
石:入ってたんですよ。
B:要さん。お父さんに感謝しないといけませんね。
要:ありがとうございます(苦笑)。
B:子供の頃初めて聴いた時、どうでしたか?
石:ちっちゃい時って歌詞の意味とかを考えてじっくり聴く感じじゃないんだけど、「何だろう?これ」って。「切ない」という言葉の意味も分かんない時だけど、何かキュン、と来る感じがあった曲で、大人になって歌詞の意味を考えたら「そういうことだったんだ」と。メロが持つパワーもあるし、大人になって歌詞が重なった時にもっとよくなった、みたいなのがすごいあって。
要:そうだね。確かに、自分が歌詞の内容を把握できて歌う時と、わけ分からずに何となく耳で覚えて歌ってた時とは違うもんね。
石:全然違いますね。
B:さ、このふたりですからね。どうなるんでしょう?M:「木蘭の涙」(スターダスト☆レビュー) サビは石原さんがメイン、要さんが3度上のコーラス。原調の「Em」で演奏しましたが、石原さんのアルト系、要さんのトップテナー、というふたりの音域がピタリと合っていました。小さい頃に心に残った曲を要さんと一緒に歌われた石原さんの胸中は、どうだったのでしょうか?
<「今日の音」> B:今日の音。(石原さんはコード「C」をひと鳴らししました)
要:その心は?
石:その心は…。
要:……その心は?
石:……(まとめるのが自分であることに気付いて→)あ、私だ(笑)。
要:何トンチンカンなこと言ってんだよ!(笑)
B:それは何を表現したんですか?
石:初めて覚えたコードなので、その感動を言いたかったんです(苦笑)。
要・B:結構なお点前でございました。
石:すごいすっとんきょうな感じで(笑)。
要:今時すっとんきょうとか言わないよ!オレもトンチンカンとか言ってしまったけど(笑)。(ギターへサインを書く石原さん。"Chihomi"の上にスマイルマークを細字で小さくしたためました)
要:ありがとうございました。
B:石原千宝美さんにお越しいただきました。ありがとうございました。
石:どうもありがとうございました。
(2週分通しての感想)
番組中終始笑いの絶えなかった石原さんは、ほんとうに裏表のない人なのだろう、という印象を持ちました。自分が大好きな「歌」を、ひたむきに取り組んでいるさまが、ひしひしと伝わってきました。だからこそ、良い人たち、良い曲とめぐり会えるのでしょう。ライブが好き、とおっしゃる石原さんと要さんの共通項も、興味深いお話でした。さて次回からはロックのストレートさとポップスの軽快さを併せ持つバンド「drug store cowboy」の有原雅人さんと、村瀬敏之さんのおふたりをお迎えします。そして、注目のスタ☆レビ新曲「Joanna」PVを、要さんの解説付きで放映します。
(レポート:セントウルさん)