2001年8月1日(水)オンエアー
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「つま恋100曲ライブ」に向けてのリハーサル中のスタジオより電話インタビュー
―まずは『NO BALLADS』、7月25日に発売されましたね。
これは、スターダスト・レビューっていうバンドは『バラードのスターダスト・レビュー』とか巷では言われることが多いんですけれども、そのバンドが敢えてその裏側にあるアルバムを出したと。しかもライブで出したってことでですね、これは非常に大きな意味合いを持ってるわけです。やっぱりミュージシャンっていうのはみんなそうだと思うんですけど、一つにカテゴライズされるのを嫌がるわけですよね。『何とかの誰々』って。僕らも『バラードのスターダスト・レビュー』っていう言葉に対して、決して否定するつもりはないけど、それはこういうものもあった上でそう呼ばれるんだったらいいかな、と思ったところがあったんですね。そのためのアルバムを作りたかったっていうところがありました。まさに僕らにとってのビートナンバーばっかり集めたアルバムなんで、もうほんとに休みなく聞いていただけるんじゃないかと思うんですけどね。とにかく楽しいんですよ。スタジオ盤では出ないものですね。
―タワー・オブ・パワーのアレンジかな?と思ったら、シカゴが出てきたりねぇ(笑)。このホーンアレンジはどなたがされたんですか?
ウチの光田と、ここ5年ぐらい付き合いがある矢代君と、それから、BIG HORNS BEEの方にお願いをしてたんですけど。元々僕はね、こういうバンドにプラスアルファされるものによって、バンドの毛色が変わってくるってことがすごく好きだったんです。
72年かな、サンタナのサードアルバムがあるんですよ、この中でタワー・オブ・パワーを使って、サンタナが曲を作ってるんです。それが原型になって、この1曲目の『BEATに愛を込めて』ってのはできてるんですけど、僕それをガキのころ聞いて、むちゃくちゃかっこいいなあと思ったんですよ。その後も例えばドゥービー・ブラザーズがタワー・オブ・パワーを使ったりとか、リトル・フィートが使ったりとかね、それからヒューイ・ルイス&ザ・ニュースなんかがそうですね、それから、後はホーンセクションチームで言えば、トムトム84っていうアース、ウィンド&ファイアーのバックをやってた連中がフィル・コリンズのところに行ってまた違う音を作ったりとか。っていうのは、ま、ある種そのアーティスト、そのバンドにホーンセクションとかっていうものがプラスアルファされると違うものが出来上がるような気がしたんですね。僕もそれをやってみたかったっていう。92年に「FACE TO FACE」というライブアルバムを出してるんですけども、そのときは、厚みを加えようってとこで、その時はどっちかっていうとバリエーション的に入れてたんですけど、今回みたいに、どっかんどっかんやる、って形じゃなかったですね。ま、それは僕が当初から、やるならチームで呼びたい、っていうのがあって、前回のときは要するに個人プレイヤーとして呼んでたんですけども、やっぱり僕らバンドというチームで20年やってきて、そういうホーンセクションってやっぱりチームだと音が違うんですよね。もう、圧倒的に違いますよね、だからそれを呼びたかったんで、最初に『BIG HORNS BEE』って決めてたとこはあったんですけどね。BIG HORNS BEEの人たちは個人的にもすばらしいプレイヤーなんですけれども、例えばソロプレイヤーとしてきた場合にはもっとすごい人がいるのかも知れないけれども、でもチームがバリッと音を出したときにやっぱりこれに勝てる人たちはなかなかいないでしょう。でこれをバックに歌えるってことでですね、まあここ数年僕は結構ブライアン・セッツァー・オーケストラっていうのに凝ってたもんですから、まさに自分にとってはほんと至福の時間ですよね。
―アルバムではあんなにギター弾いてるところは見つけるのが難しいくらいですけれど(笑)アルバムっていうのはどうしてもですね、歌に走りがちになるんですけど、やっぱこういう演奏っていうか、実はね、ポップスっていうのは、何度聞いてもどこで聞いても同じ様に聞こえるのがある種ポップスのカテゴライズだと思うんです。僕らのバンドって言うのはいわゆるポップスにカテゴライズされるんだけど、その中にアドリブというか、要するに即興性ですね。インプロビゼーションってやつですけど、即興性がすごく高いんですね。ですからまあ、例えばジャズでいえば9割方即興性で成り立っている、僕らの場合はおそらく4割5割が即興性だと思うんですね。そういうちょっと毛色の珍しいポップスのバンドだと思うので、だからライブになるとこれだけの色が出てくるんですよね。
―だから、ファンも常に鮮度の高いスタレビを求めるということでしょうか?
あー、そうかもしれないですね。やっぱり普通の歌手の方とか、いわゆるポップスの方ってそういうライブアルバムを必要としない方っていうのがいらっしゃるとおもうんです。これはいいとか悪いじゃなくって、現実にどこでやっても同じだから、取り立ててそこで、ある種状況の悪いライブをとることはないんですよね。それを僕らあえてお客さんがいるからスタジオ以上にいいものができるっていうところでこのアルバムを作り得た訳ですから。ほんとにやっぱりこのバンドでBIG HORNS BEEを入れてやるっていうのは、本当にその場所でしかもその日しかできないことを作ろうって思ったわけですから、それが多少の間違いであろうと、音楽用語の中で"good mistake"っていう言葉があるんですけどね、まさにその"good mistake"の嵐を作ろうと思ったところはありましたね。
あの今回ですね、実はインディーズというところに僕らは出てうったんですけど、これは何でかっていうとですね、要するにメジャーにいるとなかなかこう、できないことがあるんですよ。もちろんメジャーっていうのは、守ってくれるところも十分あるんですけども、もっともっと自分達が音楽的であり、音楽観をみんなに見せたいと思ったんで、メジャーっていうのは不特定多数をいつも市場にもっているから、やっぱりわかりやすいものをある程度は狙っていかないといけないっていうところがあると思うんですよね。でもインディーズっていうのは何ていうのかな、もっともっと音楽の質だったり音楽観みたいなところが重要視されると思うんで、だからこそ僕らはこういうアルバムをつくり得たんで、ま、いってみれば本当に「インディペンデンス」という独立した形で僕らはレコード会社を立ち上げて、今回リリースしたという形なんですけどね。
―この『NO BALLADS』というホーンセクションを含めたライブの企画は、これ一回きりなんですか?
そうなんです。ただ、レコーディングに関しては一回なんですけど、終わった後に、もう一回やろうってみんなが言い出したんで、ツアーを組むことになりまして。ただ、これはね、非常に僕らにとっては特殊なライブ形態なんで、このときも2000人のオールスタンディングでやってるんですね。で、スターダスト・レビューってバンドはもうちょっと落ち着いて聞く部分が多いんで、オールスタンディングなんて今までやったことなかったんですけど、ですから今回のBIG HORNS BEEと僕らのこのツアーは、場所的なことも考えると、7都市、いわゆる7大都市というやつだけで10公演が予定されていまして、ですから、宮崎の方だと申し訳ないんですよね。これはね、やっぱりね、場所とかねいろいろ条件が出てきてしまいましてね。これは悔しいんですけど、僕らとしても特殊なものなので、致し方ないかなと。
でもほんとに自分達のサウンドをそのまま包み込んでくれるようなホーンセクションを背中において、そりゃあ歌うもギター弾くもこんなに気持ちいいときはなかったですよ。もちろんバンドだからできる音楽ってのはたくさんあるんだけど、ときにこういうことで遊びながらとかね、色々自分達で一体どんなことになるのか予測つかないけどもやってみたいっていう気持ちって多いですよね。やっぱりミュージシャンっていうのは、あれもこれもって大風呂敷ですから。これが自分が聞いてきた音楽になりますからね。この一曲一曲にね、誰々のアルバムの何枚目ののここ、って言えるくらいね、このアルバムはね、自分が愛情を充分注いでますね。まあバンドでありながら僕の趣味性が非常に高いというか、ここは申し訳ない所だと思うんですけど。―やはり相当リハが要ったでしょうね?
それがね、たった3日しかやってないんですよ。BIG HORNS BEEも忙しかったんで、僕らが下準備で3日やって、それである程度音ができたときに BIG HORNS BEEが3日間入ってくれて、リハーサルやったんですけど。だからある種、鮮度を保ってたっていうのはありますよね、当日までその鮮度は落ちなかったですからね。今回は、ホーンセクションっていうチームで呼びながら、ソリストとして活躍してもらってる部分が多いんで、今回は一人2パートぐらいは必ずソロ吹いてたりするところがあるんですよ。
―『STARS』VHS/DVDについて僕らが昨年の4月から今年の4月までずっと回ってたツアーのビデオなんでこのBIG HORNS BEEとのビデオじゃないんですけども、これはですから宮崎のほうは昨年の5月25日にツアーでいったときと同じ内容なんですよね。これは僕らの20周年のツアーのなかの最終公演が地元埼玉は熊谷でやりまして、このときのやつが入ってるんですけども、僕らの場合はライブすごく長いんでですね、もうとにかくスタッフから「2時間でおさえてくれ」っていわれたんですけど、気が付いたら145分くらいですかね。もうこれはちょっとね、みんな頭抱えてたんですけどね。でもしょうがないですよね、やっぱいいものをお見せたいし、曲もきりたくないし。だからほんとは曲だけでいいか、っていってたんですけど、やっぱりMCとか、お客さんと絡んでいくところとかお見せしたいなあと思ったんで、そうやって編集してるうちに143分になっちゃって。
やっぱ「見せたいな」とはね、思いました。ライブビデオだからもちろん音楽をやってるところが中心なんだけど、ただスターダスト・レビューってバンドは空気とかそういうものもね、その会場の空気とかっていうのもすごく大事だから、その辺も感じてもらえるとおもいますけどね。―根本さんが音楽に対してピュアな部分を建前論じゃないところで実践して、リスペクトすることも大事だということをちゃんと伝えている、という姿勢はBSのレギュラー番組なんかを見てもわかりますよね。
ありがとうございます。やっぱりね、音楽は楽しくなきゃダメです。あれはただのロック馬鹿の番組ですからね。僕がロックを聞いてきて、それでこんなにいろんなことを考えられるようになったっていうところを伝えようとしている番組なんでね。なんか自分が色々いい音楽に接したときに、何とか伝えたいなって思いますよね。ただただ僕の個人趣味でね、ほんとにたまぁに家で見たりするんですけど、こんなね、自分がただ家で遊んでるような番組を流してていいんだろうかと思うときありますからね。30代40代50代の人たちに受けてるみたいで。僕がいいなと思うものをみんなにいいと思ってもらう必要もないし、逆に僕がダメだっつったものにダメだって思うこともないし。音楽って、やっぱり好き嫌いですからね、所詮、嗜好品ですから。でも、これが明日になったら、また好きになったりする可能性もあるし、逆に明日になったら嫌いになるかも知んないし。そういう音楽っていうのは誰の責任でもないから。下手にそういう責任感じるとミュージシャンかわいそうですからね。
―最後になりましたが、8日のシーガイアでのライブについて
今回は企画に富んでおりましてですね、今までライブでお聞かせできなかったような曲がバンバン入ってきますね。今回100曲つま恋でやってるんで、いつもライブでやらないような曲もいっぱいやるわけですよ。もちろん初めて見にいらっしゃる方もいると思うんで、いつもの定番曲も聴かせながら、そういうめったにやらない曲を結構お見せできたりとか。それから、ま、ホーンセクション抜きですけども『NO BALLADS』あたりの特集であったりとかもやれると思うんですけどね。だから、「つま恋」の縮小版みたいな形にはなると思うんです。でね、時間がね、開演が8時だったんで、俺たち30分ぐらいしかできないんじゃねえの?っていったら、もういくらやっても結構です、っていわれたんで、もう僕らも本気で(笑)きっちりやります。そんな一時間やそこらで終わるようなステージはやらないです。もう、ばりばり。だから、お帰りの時間だけはちょっと未定にしておいていただいたほうがよろしいかと。
毎年僕ら、ここ何年もシーガイアの野外でやってたんですけど、去年があいてしまったんで、今年何とかやりたいなと思ってて、場所は今回は屋内なんですけども、サミットホールでやります。ここはスティングがね、やったところですから楽しみですね、私たちも。ツアーとは別のスターダスト・レビューをこういうイベントでまたお見せできるのを非常に楽しみなんですけども、よろしかったらまた皆さんいらっしゃってください。僕らも本気でやりますんで、皆さんと会えることをたのしみにしております。どうもありがとうございました。
インタビューをした甲斐さんに「とにかく熱い。やけどしそうなほど」と言わしめた要さん(笑)。
かくして、こんなインタビューの通り、シーガイアでは予告どおりの「本気」の熱い熱いライブを見せてくれたスターダスト・レビューの皆さんでした。
ちっちさんありがとうございました。