2001年1月31日オンエアー
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<第1回1月31日放送分>
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《パーソナリティ》
甲斐 裕三郎さん・・・宮崎の音楽業界では、結構有名な人(らしい。)JOYFMで番組を持つ傍ら、地元のミュージック スクールでドラムの講師などもしている。やたら音楽のことに詳しいおじさんなのです。(写真はjoyfm.co.jp/personalities/etc.htmlで見てみてください。)
米谷 奈津子さん・・・JOYFMアナウンサー。“ROCKの要!”でいうところの坪井志津香さん的役割(?)。彼女のために、会話中に出てくる難しい用語一つ一つを要さんがやさしく解説してくれています。めんどくさいんで、省略してますが(笑)、要さんと甲斐さんの会話中、彼女は「ふーん」「へー」の
連発でした。あんまりにもマニアックすぎてついていけなかったんだろうなあ。
M「夢伝説」
甲:さあ米ちゃん、待望の方にきていただきましたね。スターダスト・レビューの根本要さんです。
要:どうも、はじめまして。よろしくお願いします。僕もね、この番組に入れるの、すっごく楽しみにしてました。 スタッフから「是非甲斐さんのサウンドに対するツッコミをうけてくれ」って言われてまして・・・。(笑)
甲:逆に、僕は嘘も何もなく、日本のアーティストでやはり”会って話をしてみたい”一人だったんですよ。
要:うれしいですよねえ。(ポロリポロリと手元のギターを弾きつつ会話が進む。)
甲:もう、予習みっちり、3日間かかりましたよ。(要さん爆笑)
要:なんてったって僕ら20年もやってるとですね、カタログだけが多くなっちゃうわけですね・・・・(笑)でも、24枚のアルバムを出しているにも関わらず、全部足しても宇多田ヒカルの1枚にも勝てないっていうような状況ですからね。どー思います、これ・・・?
甲:でも、中身が違うからね。ぽっと出じゃあ無理だって。はっきりいうけど。でも、ほんとに3日間かかったのは、それだけアルバム数が多いのと、飛ばして聞けないんですよ。
要:そうですか。でもそれはうれしいですよね。
甲:要するに、昔だったらLPで「この1曲いいんだよな、でも後は捨ててもいいか」って思いながら買いませんでした?
要:(笑)そうそう、まずシングルで聞いて、「あ、これいいじゃん」と思っても、後アルバムは自分が思ってたものと違ったりするんですよね。僕らの場合もねー、でも、そうはいいながらも、うちはどれって決められない。ほんとにね、大風呂敷バンド(笑)。あれもこれもやりたくて仕方がないから、その結果こういうバンドになっちゃったっていう・・・
甲:すっごいアーティスティックだと思いますよ。僕1枚目から聞いたんですけどね、レベルの高いこと!!
要:(照れ笑い)うちはデビューが81年ですからちょうど20年前の5月にデビューしまして、それなりの評価はですね、高かったんですけど、まー売れなかったんですね(笑)
甲:やはり世の中がついていけなかったんですね。
要:いや、ついてくる気もなかったでしょう(爆笑)
要:一応ね、デビューシングルはですね、CMソングをもらいまして、ある時計のCMだったんですけどね。 結構流れたんですけど、どうもその絵にぴったしで、実は向こうの人はすごい気に入ってくれて、曲にぴったりの絵を作ってくれたもんだから、あんまりにも楽曲がはまりすぎちゃって。 当時はCMソングだから売れるというわけじゃなく、CMソングと何かがタイアップすることで売れてきたんだけれども、あまりにもCMのために作ったような曲になっちゃって、誰もシングル出てると思わなかったんだろうね。(笑) まったく「シュガーはお年頃」なんてふざけたタイトルですから。
この「シュガー」って言葉は、そういう3人組の女の子のバンドもありましたけど、「シュガータウン」とか、意味もなくアメリカな感じがするんですよ。(二人妙に納得)これが僕は好きでね・・・。シュガーっていう、そういう女の子がいてもいいかなと思って架空に作ったんですけどね。
甲:メンバーの方、ご紹介しますとですね・・・(ごそごそ・・・とたくさんの紙の音)資料がすごいでしょ。ギターが根本さん、ベースが柿沼さん、パーカッションが林さんで、ドラムスが寺田さん、キーボードが光田さんですね・・・代わりまして三谷さんから光田さんに。で、ここにですね、ヴォーカルって何もないんだよね。
僕は言い得てて妙だな、と思うんですよ。というのは皆さんヴォーカリストでしょ。コーラスするでしょ。ですから、ヴォーカル、(標記から)省いてもいいかな、って言うことじゃないかと思ったんですけど。
要:そうなんですけどね。自分を表すときに、「ヴォーカルです」っていうと、全員ヴォーカルだから・・・(笑) 僕はいつも自分のメンバー紹介はギターの何とかです、って言うわけですよ。 そうすると、みんなベースの何とかです、とかっていうわけで。
甲:だから、ともかく僕はこんなパーフェクトなバンドって言うか、僕の形態としては理想のバンドなんですよ、以前でいったら、1960年代の「フォー・フレッシュ・メン」。
要:あー・・・。「フォー・フレッシュ・メン」っていうのはね、これまたすごいコーラスグループがいるんですけど、男のグループコーラスでは、誰も彼らに太刀打ちできないという。あ、TAKE6も今すごいですけど・・・。その上また、演奏がすごい卓越してるっていう。コーラスで有名になっちゃったんだけど、「フォー・フレッシュ・メン・スタイル」っていうのがあるくらいのコーラススタイルを持ってましたからね。
甲:そうそう、4声のね。今までトライアードだけだったのが、4声のコーラス入れて、日本人わかんなかったっていうんだ。
要:テンションですよね、ド・ミ・ソにテンションひとつ入るわけですから。それがまた複雑なんですよ。甲:それをやるんですよ、楽器しながら、スターダストレビューは。
要:いやいや、僕らはたいしたことない(笑)。僕らはもともとバンドの出で立ちっていうのが、ヴォーカリストがいなかったんですね。インストゥルメンタルバンドだったんですよ。だから、ラリー・カールトンの(一節ギターで弾きながら)こういうのとか、やってたんですけど。やっぱり当時はA.O.R(アダルト・オリエンテッド・ロック)って言う、大人向けのロックがたくさんあって、マイケル・フランクスとか、ボブ・スキャッグスとか出てきたわけですよね。それで、「歌もいいな」ってなことで、そんな曲も書き始めたんですよ。 そんな中で「じゃ、誰が歌う?」てなって、作曲者の俺が歌ってただけのことで(笑)。 そうすると、歌下手だから。マイケル・フランクスより下手なんですよ、俺の歌は・・・マイケル・フランクスさんに失礼だけど(笑)マイケル・フランクスさんも相当下手ですけどね。
で、僕だけだと心もとないんで、みんなで歌ってた訳ですよ。もう、そりゃあひどい。(ブラペを一節歌って)これ一人でやるといまいちなんですよ。全員で”ぶぁー”ってやると迫力があるんですよ。それでこの曲はエバリーブラザーズの曲なんだけど(ギター弾きながら)これ同じでしょ(笑・曲名はわからなかったけど、確かにそっくり。)
こうやって作ってくんですわ。ヴォーカリストいないから、ユニゾンで歌ってくでしょ。男ばっかり。でそれがまたかっこ悪いんで、しょうがねーなーってところから「コーラスでもつけてみようか」って。 で、楽器やってるとうまくコーラスが聞こえないから、楽器休んでコーラスだけで練習してるうちにアカペラができちゃったっていう・・・。ほーら、こんなナチュラルなバンドないでしょう。自然発生的なんだよね、全部。
甲:簡単そうに聞こえるけどね。コーラスっていうのは僕らにとってはかけがえのない楽器だと思うんで、コーラスほど楽しいことはないと思うんですよ。
要:そうですよね。またね、ビーチボーイズとかね。 演奏しながら歌って格好いい人たちってイーグルスなんかも、ドゥービー・ブラザーズなんかもそうですけど、演奏しながらコーラスのうまい人たちって、アメリカに多いんだなー。 イギリス人ってのは意外とコーラス下手だったりするんですよ。 アメリカの人たちのねー、なんなんだろう、あの透き通るようなコーラスって・・・なっかなかイーグルスみたいなコーラスできないからね。どうなってんだろうと思って。「一体誰が歌ってんの〜?」ってぐらいあちこちでコーラスしてるからね。あれがすごい好きで、僕らもそんなふうにはじめたんですけどね。なかなかああいうふうにはいかないねえ。
甲:いや、すごい。僕ははっきり言いますけどね、いろんなコーラスだけのグループいるじゃないですか。僕はスタレビの方がうまいと思う。(要さん照れ笑い)いろいろいますよ。いろいろ知ってるけど、でも、いえませんけど(笑)スタレビのほうがいいですよ。
要:僕は、そのコーラスってのはね、もともと僕らはヴォーカリストが寄せ集まってコーラスをやるわけじゃないんで、楽器からたまたま自然発生的に出てきたから、本当の「コーラスグループ」ってのは歌のうまい人たちが集まってるからうまいんですよ。 でも、僕らにしか出せないテンション感っていうか、たとえば全員がビッチリコーラスを揃えるっていうんじゃなくて、中には低いやつもいたりするわけで。逆に低いのを補うためにみんながちょっとずつ低くなっていったりするっていう。これが僕らのやり方でしょうね。だから、へたくそでもやれる・・・。
うまい人たちが完璧に作る「フォー・フレッシュ・メン・スタイル」っていうのと、下手な人たちがなんとなくつくる「スタレビ・スタイル」っていう(笑)のがあるかもしれない。
甲:テンションノート使う方が、非常に密度が濃いんで、聞いてて気持ちがいいんですよね。俗にいう、ダークダックスとか、ボニージャックスとかみたいなアルトがいて、バスがいて、テナーがいてっていうようなはっきりした形じゃなくてね。凝縮した形なんだよね。
要:そ、クローズっていうね、コーラスで作っていくんですけどね。
甲:ギターとか、ドラムの人はいいけど、ベースの人大変でしょうね。
要:そうそう、ベースのやつがね、一番低くなるのね。ベースって聴感上多少低めにくるから、コーラスしていくと、そのベースにあわせていくとみんなが低くなってきちゃうていうのがある。でも同じようにね、ドラムとかパーカッションて、キーになる楽器がないから、大変なんだって(笑)。俺達は、「要さん次の音はこの音ですよ」って「んー」とかってギター鳴らしながら音取れるんだけど、ドラムとかは「んー?ふー?」とかいってわかんなくなっちゃうわけ。(笑)
だから良くがんばってますよ、みんなね。M「思い出にかわるまで」 (この選曲が、何がすごく渋い!!と個人的に思ったんですけど・・・久しぶりに聞きました。)
甲:フォルテ・ピアノからクレッシェンドしていくような使い方、あれ、うまいですよね。もうね、いやらしいほど。(要・米 爆笑)おいしすぎてね、僕なんかコーラス好きだから。僕も「フォー・フレッシュ・メン」で目覚めて・・・トロンボーン吹きながらやったりしてね、へんなおっちゃん達なんですよ。でも、みんな楽器が一級品なわけ。だから余計かっこいいわけよ。それできるの日本ではスタレビだけでしょう、楽器弾きながらって・・・。
要:いやいや、そんなことないですよ。でも、ぼくらデビューして何年目かぐらいに誰かに言われたことあるんだけど、「おまえらみたいなバンドは本当に嫌がられる」っていわれたの。っていうのは、普通「バンドやろう」っていったときには、例えば大概中心になるのはロックギタリストですよ。(ギター鳴らしながら)こういうのをやりたいやつが、「誰かベースやらないか」っていって連れてきて、「じゃ俺ドラムできるぞ」ってって、「ヴォーカルうまい奴がいたぞ」って連れてくれば4人いて、それでバンドができる訳。でも、ギターの奴に「ここ、コーラスしてくれよ」っていうと、「いいよ、俺はギターだけで。」っていうんだよ、普通は。そこで終わっちゃうわけだ。だから、スタレビみたいにコピーしようと思ったときに、”歌もやんなきゃなんない”って。で、歌用にあわせて、8人か9人くらいになっちゃうと、これは集めるのが大変だから「やーめた!」ってなことになるわけ。そりゃあやっぱり「BOOWY」とかのほうがね、コピーしやすいですよ、「B’z」とかね。
甲:コピーできない!、スタレビは・・・。人数いないもん(笑)また、「歌おう」という奴がいないかもしれないし。だから、僕は、音楽には二通りあると思う。隣近所のお兄さん、お姉さん方がする「一緒にできる」と、「聞く」ための音楽という2極性があると思うんで、僕は「聞いて何ぼ」の真似できないスタイルのアーティストっては尊敬するんですけどね。やっぱり(スタレビには)”雲の上の人であって欲しい”っていう気持ちはありますよ。
要:(笑)でも、最初からもしそう思ってくださるのはすごくうれしいなと思うけど、最初からそうなれない訳で。僕らはやっぱり「近所のお兄ちゃん達」から始まって、ただ、「聞く」音楽で、ローリング・ストーンズのギターのキース・リチャーズがいいこと言ってたんですよ。「音楽をやるために必要なものは、ほんの少しの才能と、偉大なるお手本だ」って・・・。
くぁー、いいこと言うねえ(笑)つまりね、過去のすばらしい音楽を聞いて、ほんのちょっとの才能があれば、音楽は模倣されていくものだから・・・.過去の音楽に対する”リスペクト”な気持ちがあれば、どんどん音楽は出来上がっていくんだ、と。僕らだって、何一つ新しい音楽作ろうと思ってないもの。「あいつのああいう音楽作りたい」「あいつがやってたこういう音楽にちょっとでも近づきたい」と思ううちになんとなく自分達のスタイルが出て来るんだと思うよ・・・。だから、過去の音楽を語らない人の音楽は僕は聞かない!「僕はこんなのに影響をうけた!で、これができた!」っていいたいんだよね。それが僕が作った音楽の中にあるいろんなアーティストに「ありがとう」って気持ちになるっていうか・・・.
甲:めちゃくちゃうれしいよね。「僕は僕のスタイルだよ」って貫く人いるけど、影にいっぱいいるもんね(笑)
要:そうそう、「何も聞かずしてそれができたんだったら、おまえは天才だ」と。
甲:そして面白いのはね、いまコーラスのことを話したんですが、(スタレビが)やってるリズム。僕ずーっと聞いてきました。いいましょう、チャチャ、ソカ、バイオン、ルンバ、スィング、12分の6、8分の6、16(ビート)、バウンス、8ビート、カリプソ、それからファンク系の16(ビート)、ホンキートンク、ビーバップ、ロックンロール、2ビート、以上。大体これくらいですね(さすが、ドラムの先生!!)
要:(爆笑)ありがとうございます・・・・そう、リズムのパターンなんですけどね、これは大体国別に分かれてきたり、人種別にも分かれてきたりしますけど、要は自然発生的に出てきたリズムで、それがある程度ポップスの中にはいっぱい充満してるんですよ。僕らはその根源的な例えばアフリカのリズムを聞いて勉強してきたわけじゃなくて、それがポップスに生かされてるから、たまたまそういう音楽を聴いてるうちにそうなった、と。でもこの中の、どれひとつとして学んだことがないわけですよ(笑)。だからどっかで聞いた音だったり、好きなアーティストの何とかがやってた、っていうだけで・・・。それだけのことですよ。(笑)
甲:で、三谷さんの曲は「エアプレイ」がでてくる、必ず。
要:そうそう(笑)。「エアプレイ」ってのは、デビット・フォスターとジェイ・グレイドンって人がね、すべてのバンド連中に影響を与えたっていう、その後の歌謡曲はほとんどその音で作られてたっていうぐらい、すっごい影響力大きいバンドがいたんですよ。僕らがデビューちょい前ぐらいにすごいアルバム(「ロマンティック」のことだと思う。)が出ちゃって。ルックスは最低なんだけど(笑)、見事な曲と「これが欲しいな」っていうのは全部入ってくる。アレンジってのはね、ひとつのメロディーがあった時にリズムパターン決めたり、コーラス決めたりとか、いろんなフレーズを入れるんだけど、「ここにこんなのあったらいいな」っていうのが全部凝縮して入ってる、「エアプレイ」ってアルバムをたった1枚。後にグレイドンが一人になってから何枚かアルバム出したんだけどね。ほんとこれはね、バンド、そしてアレンジのお手本。ギター・キーボードプレイヤーは、このアルバムを知らない奴はもぐりだ!!ッていうくらい。
甲:そう、それほどすばらしいアーティストでね、アレンジがすごいんだ。だから三谷さんすごいところをいってるなって。要:そうかも知れませんね。三谷はいま脱退してね、esqっていうね、グループって言うか、自分で一人でやってるんですけど。彼もそうなんだけど、僕らの場合は、自分達でいうのはなんですけど、志だけは高く!っていうね。(笑)高い音楽性と低い腰(爆笑)。
甲:さっき言いましたけどね、マンハッタン・トランスファーのコーラスがあると思ったら、あれ、カシオペアの雰囲気が似てるとか、スティービー・ワンダーが出てきたりする。ユニゾンでね、ベースラインが一緒に動くっていう・・・まぁよく勉強していらっしゃいますなあって感じ。それを自分のスタイルにしてしまうっていう根性がいいですね。
要:(笑)偉大なるお手本さえあれば・・・ってね、ちっぽけな才能でもできるっていう(笑)、僕らそのまんまですよ。
甲:グレン・フライとかも好きでしょ。
要:好きですね。後コーラスワークとかね、後は割とルーズな8ビートにのけって歌うっていうのはその辺のグレン・フライのよさもありますよね。イーグルス系っていうのは、そんなにリズムパターンこってないんだけど、やたらと気持ちのいい8ビートだとか、わりと遊びっぽいベースが入ってくると、イーグルスみたいなのができたりするんですよね。あとは、まあコーラスですわな。ぴっちり立つリードヴォーカルと、それに絡まる複雑なコーラス。コーラスとかっていうのは、やってる人が一番気持ちがいいの。僕らステージでも、ライブやってるときに必ずお客さんにもコーラスさせるんですよ。そうすると、みんな僕らのコーラスを聞くのが好きな人たちだから、自分達でもコーラスしようとするから、結構いいコーラスできますよね。だから僕はハモっていく気持ちよさを知ったら、歌いたくなると思うの、みんな。まず、いいコーラスをきいて、それで自分も歌おうとする。コーラスっていうのはね、2通りあると僕は思うんですけど、滅私奉公的な、ママさんコーラスっていうのは意外とつまんないんだよ。もっとね、「俺は」って主張して、その主張しあう中での力関係が出来上がってくるコーラスがいいと思うわけ。みーんな出来上がりの中で、ママさんコーラスみたいに、ま、ママさんコーラスを否定するつもりはないけど(笑)、大勢で、ある程度、滅私奉公的にやると、やっぱり自分で歌ってて「俺はこう歌いたいんだけどな・・・」っていうところが出しずらくなってくるじゃない。で、ゴスペルの面白いところって言うのは、てめーらが、てめーら勝手に歌うとこ(笑)。ゴスペルの面白いところって言うのはそれですよね。個人を出していいの。みんなが神さえ称えてればなんでもいいんだから。(爆笑)そのゴスペルみたいなサウンドに、私的な歌詞をはじめて乗っけたのがレイ・チャールズだったんだな。ゴスペルって言うのは「神!神!神!」っていってたんだけれども、そこに私的な詞をはじめて乗っけたって言う、歴史的な流れがそこに出てきたりするんだな。だから、要は自分が好きに歌って、それを調和させる方法をみつけると。出来上がりを考えて作っちゃうと、意外とこじんまりしてつまんなくなっちゃう。できるかどうかわかんないけど、やってみる。すると、全然できなかったけど、違うものができて「これも面白いね」っていうのがスターダスト・レビューだもの。(笑)
甲:コーラスにパワーがあるよね。あれね、コーラスやるとわかるんだけど、最初自分の音がわかんないんで、特にドラムの人とか、パーカッションの人とかは大変だろうと思うんだけど、『パン』っと出せないのよね、怖くて。大概フラットしてるから。自分で思ったとこよりも、ちょっと上に行くと「あ、合ってるな」っていうのがあるのよ。
要:そうそう、これはね、そうなんですよね。つまりね、喉の力の入れ方によって、音っていうのは変わってくるから、最初に何もないところで「あー」(高音)って出すのと「あー」(低音)って出すのじゃ、力の入り具合が違うじゃない。だから最初に「どのくらいの力を入れたらいいんだろう?」ってここを学ぶんだよね、コーラスしていくってことは。でも、それはすぐなれることだから。あと、自分の音域がどこからどこまで行くかっていうのも知らなきゃいけないんだけどね。
俺もね、あんまり無頓着だったから知らなかったんだけど(笑)光田が入ってから、彼は芸大行ってて、作曲科で理論詳しいから、俺らはまったく楽譜も読めないような奴らがさ、20年近くもやってて、光田が入って5年くらい経ってるんだけど、「要さん、音域どのくらいある?」っていわれて「いやわかんないなあ。」って。じゃやってみようよ、って。僕、3オクターブ半くらいあるんですよ。異常に広いらしいの。大体男の人で2オクターブ出れば広いほうって言われてるんだけど。
甲:それはすごいですね。これは僕聞きたかったんだけど、要するに、裏声と表とあるじゃないですか。
要:それが僕はね、ファルセットがあまり出ないんだよね。得意じゃないの。俺の声はね、ミックスヴォイスって言うんだよね。初めて知ったんだよ、光田に教えてもらって(笑)「要さんのは“ミックスヴォイス”って言うんだよ!」って
甲:そうなんですよ。これ、コントロールが中々できないんですよ。
要:って言うんだけど、俺はそんなこと知らないじゃんか。「ミックスヴォイス?、なにそれーっ!」って。ミックスヴォイスってのは、ファルセットと地声の間の音なんだって。
甲:ミックスヴォイスを使ってるっていうのはわかってたんですけど・・・。聖飢魔IIの彼(デーモン小暮)もそうでしょう、ミックスヴォイスじゃないと、男性でそこまでできないもの。それをコントロールするのが難しいんだよね。あれ、みんなトレーニングするんですもん。 もって生まれたものですか?デーモンさん、すっごい訓練したって言ってましたよ。
要:ええっー?そんな・・・悪魔が訓練した日にゃねえ・・・(爆笑)どうすんだよ、悪魔が訓練して!悪魔訓練するなよ!って・・・ 僕は(トレーニング)やったことない。僕はね、だとすればね、ジョン・レノンとか、ポール・マッカートニーなんかも、そういう声を出すんですよ。僕はガキのころからビートルズをずーッときいてて、彼らは基本的に歌は完璧なわけ。どんなデモテープ聞いても。その彼らがすごい音域で「ヘイ・ジュード」とか、F#ぐらいまで出ちゃうわけ。
「何だその声は?」って・・・。ファルセットじゃないんだよね。ただ、そんなのを真似てただけなんじゃないのかな。
甲:でも、都合がいいですよね、できないからみんな必死なのに。
要:光田に言われたのがそれだったの。「どういうふうに訓練したんだ?」って。訓練?ってなんだそりゃって(爆笑)。俺も、本とか「ミックスヴォイス・私はこうして会得した」って、出したいぐらいなんですけど(爆笑)わかんないんだ、本人には、全然。だからよく、僕がはじめてあった人が、僕の音楽を知らなかったりするじゃない。で、僕がしゃべるでしょ。「ずいぶんハスキーな声ですね」って、曲かけて、で「担当楽器は?」「あ、ヴォーカルです。」「えー!!その声??」って言われるの(笑)。歌う声と話す声が全然違うって。ミックスヴォイスっていうのの特徴だと思うんですけど、疲れないんですよ。
甲:ミックスヴォイスは、喉に負担をかけないんですよ。だから、ずーっと将来的にやるのであればミックスヴォイスを覚えたほうがいいってみんな言われますね。要:だからこないだね、名古屋で6時間歌ってたの(笑)今年のカウントダウンライブで。去年の11時45分から始まって、6時に終わったんだ(笑)。でも、別に疲れるわけでもなく・・・何なんですかねぇ。
甲:ミックスヴォイスだけなんですよ。負担かけなくて・・・だから、枯れることがない、自分で習得してる人は。
要:結局、声帯って言うのは筋肉じゃないですか。筋肉って言うのは、足の筋肉とか、手の筋肉と同じように鍛えられるはずだと思ったんですよ。そしたら、「今日ここに力入れてみよう」とか、思うんだよね。風邪ひいたりして内側が炎症起こしたりすると、「こっちに空気当てないようにしよう」って・・・もう感覚的な問題ですよね(笑)「もうちょっと左側に当ててみようかな・・・あ、出た出た、これくらいだったら歌えそうだなー」とか。僕は、人間の中にある随意筋と不随意筋ってあるじゃないですか。動かせる筋肉と、動かせない筋肉っていう。その動かせない筋肉があるのがいやでいやでしょうがない。(爆笑)だから、内臓も絶対自分で動かしてやるって。心臓だって絶対意識してやる!と思って。だから例えば、トイレ行って、出ないときがあるわけですよ(笑)。そしたら何とかして、腸を蠕動させて、「ほーら、動いてる、動いてる、ほーら来た来た、ほーら来たぁ!」って(爆笑)。自分でそういう事やりたくてしょうがなかったんですよ。声帯だって自分じゃ完璧には動かせないはずなんだけど、動かしたつもりになってるんだよね。こっちにそういう気持ちがあると、少しはこっち側に寄ってくれるみたい、不随意筋って人も(笑)。甲:インドの方かも知れないよ。(笑)ヨーガをずーッときわめた・・・(要さん爆笑)。すごいね。でも、ヴォーカルとして、もって生まれた才能があったんでしょうね。
要:どーなんですかね。でも、ぼくは、”ヴォーカリスト”っていうのをちゃんとやんなきゃ、と思ったのが、デビューして6年ぐらい経ってからだった。僕はバンドって言うのは、みんなが同じように評価されて、もちろんヴォーカリストが、ミック・ジャガーだったり、レッド・ツェッペリンだったらロバート・プラントって言う人がいたりだとか。じゃビートルズはどう評価するか、っていうと意外とみんな同じような評価でしょ。それはなぜかって言うと、楽器弾いてるからだっておもったの。だからスターダスト・レビューって言うバンドは別に誰を評価するっていうものじゃないんだと思ってたんだよ。ところが3枚目のアルバムぐらいからツアーをやりだして、「歌うまいね」っていてくれるようになったわけ。何で俺の歌を誉めるんだろう?って。誰も俺のギター誉めやしねえや(笑)って思ったんだけど、ヴォーカルを誉められるようになったんだよ。「あれ、俺は・・・歌?」(笑)って思って。5枚目のアルバムが出たときに「今夜だけきっと」って曲があったわけ。これが自分で意識的にキーを高めに作っちゃったんだよね。それで、いっつもフラットして、ライブでやると、どうも気持ちよく歌えなくって、「どうやったらもっとうまく歌えるんだろう?」って。レコーディングの時は楽器も置いてるし、シビアにとってるから、ちゃんと歌えるんだけど、ライブになるとどーもフラットしちゃうんだよね。それで考え始めたんだよ。こういう曲なんですけどね。M「今夜だけきっと」(弾き語り)
要:お粗末でした・・・。
甲:やっぱ、いいわぁ。声質というのもありますけど・・・。いい声してますよね。親に感謝しなきゃいけないよ。ほんとに。
要:(笑)うちの親はね、民謡がほんとに好きで。ずーっとうちでは民謡ばっかりが流れてたわけ。で、兄貴達が、僕にはお兄ちゃんが2人いるんだけど、それで、なんとなくお兄ちゃん達がポップスに目覚めてたんで、僕も一緒に目覚めたという。だからビートルズが初来日した66年のときも、テレビ放送があったんですけど、それをカメラに収めてたぐらいだったからね。やっぱビートルズが一番初めかな・・・・あ、シナトラがいたね、フランク・シナトラ。シナトラはね、「何でこんなかっこいいんだろう」っていうか、すっげー金持ちの気がしたの。音に金持ちな感じがするっていう。(笑)あの当時のまさに「キング・オブ・アメリカ」。この音を聞くだけで、馬鹿でかい車とか、でっかい冷蔵庫、芝生、犬、そういうのが思い浮かぶっていう。 「Strangers in the Night(夜のストレンジャー)」とかね。いっぱいいい曲があるんですけど。そうやって歌はたくさん聴いてたんだけど、僕が楽器に目覚めたのはギターだったから、一生懸命ギター弾いて。最初はもう(荒城の月を弾いて)こういうのとかね(爆笑)
「荒城の月」ですよ・・・(笑)。 で、なーんかこれじゃつまんないって思って、その当時、「クリーム」っていうエリック・クラプトンが「ヤードバーズ」の後に在籍したバンドがすごい好きだったの。それをギターで弾きたかったんだけど、当然僕は弾けるわけないじゃないですか。それで、たまたまそのグループの中にあった「Spoonful」っていうブルースの曲があるんだけど、ブルースの曲っていうのは「リフレイン」って同じフレーズを繰り返すことでできてるわけ。(弾きながら)これだけなんだけど「これだったら俺にもできるじゃん!!」(笑)って。そのうちにビブラートとか、覚えちゃったりするわけだよ。 だから僕は無理したことがない(笑)っていうか、努力したことないんだから、音楽に関しては。だから、あのころもうちょっと譜面読めるようにしとけばよかったな、とか、音楽理論勉強しとけばよかったな、難しいのコピーしとけばよかったなーって・・・。でももう、できることしかないんだもん。ただ、日々、もうちょっとうまくなりたいな、って気持ちがあるんだけど、いつもほんのちょっとだけ(笑)。で、「今日は昨日より少しはうまくなれたような気がする、でも、たいしたことないな」って思うんだよね。
甲:でも、音楽なんていうのは、後付けで理論が来たわけだから、発想の部分って言うのは、やはりそれが新鮮であるっていうことと、服部先生が言われてたのは、アレンジするときに、一切鍵盤に向かわない、と。そこで見た瞬間に音が決まってしまうからって。
要:アレンジャーの人って言うのは、そうなんですって。十何段もあるような(楽譜)をみて、音がガーってなるんだって。
「え゛ーっ」って思うよね。うちのキーボードもそうなんだって。しかも絶対音感あるもんだから。で、その絶対音感ある奴が、俺たちのくっだらねーコーラスに合わせてくれるんだもん。えらい。あいつはえらいよね。(笑)だからね、バンドの中で、妙に尊敬しあっちゃったりして(爆笑)。「奴には勝てない」ってみんな思ってたりしてね。
甲:でも、豊かな発想っていうのは、何もないところ、白いものと一緒で、理論にがんじがらめになる必要が何もないんで、そういうところから面白い発想っていうのが生まれてきたし、要さんも僕もちょうどよき時代に、リアルタイムでビートルズなんか聞いてる。いくつでした?あのテレビ放送(66年)のときに。
要:小学校の4年生ぐらい。僕は57年生まれだから、10歳のとき、4,5年生ぐらいかな。
甲:僕も親父に頼んで「これだけは見せてくれ!!」っつって。
要:だから、ビートルズは、リアルタイムでチャートに上がってたのを知ってるわけ。でも、英語知らないじゃない。でも、なんとなく耳に入ってきた言葉で覚えるのね。カタカナでね・・・(笑)一番わかりやすいのは、ビートルズなんかでもカタカナで書いてある曲。例えば、「(ギター弾きながら)Tell Me Why 〜(ここから鼻歌)」ってわかんなくなっちゃった(爆笑)ここだけはタイトルだから知ってるわけだよ。(笑)
甲:「ロックンロールミュージック」でも、なんでもそうだけど「ヘルプ」でもそうだけど「HELP!」ってこれだけしってるんだよ(爆笑)。
要:で、ここだけで終わっちゃうっていう。これがいいんだよね(笑)
甲:でもね、(スタレビの)いろんな曲、生でもう1曲ぐらい聞きたいなあ。
要:じゃこれはね、僕らの中じゃ意外と知られてる曲なんですけど。これはベースの柿沼という奴が書いた曲で、こいつもまたね、いいメロディ書いてくれる奴なんだけど。M「木蘭の涙」
来週(2月7日放送)につづく −−−>>>>第二回2月7日放送分