2000年7月7日オンエアー
パーソナリティー :斎藤ノブ さん
ノブ:パーカッショニストがはいっている日本のバンドっていうのは有名どころではサザンかスタレビくらいしかないよね。だからどうしても聞いてみたかったんだけど、どうしてバンドにパーカッションを入れたわけ?
根本:それは、やっぱりフィート(リトル・フィートLittle Feet:ローウェルの渋いボーカルとスライドギターが特徴的なバンド)の影響かな。フィートもそうだけど、セカンドラインっていうニューオリンズのリズムがあるんだけど、そこにドラムとコンガなんか入ると合うんだよね。
ノブ:昔、リトル・フィートっていう今のニューオリンズみたいなのがベーシックになっているバンドがいたんだよね。
根本:そう、かといって、ニューオリンズだけにとどまらず、不思議なサウンドを創っていたし、一人一人上手いしね。パーカッションの聴かせ方とか、むちゃ上手なのね。僕ね、今、ふと、なんでうちにはパーカッショニストがいるんだろう?って思ったんだけど(笑)、ここぞっていう味付け。ドラマーだけでは絶対に足りない味付けの面白さ。サウンド面でもそうだし、ノブさんもそうだけど、ウチの林はノブさんの影響を受けているんだけど、「魅せる」っていうのがあるね。そこに存在してくれるってことでバンドを華やかにしてくれる。
ノブ:色づけっていうのはあるよね。
根本:そういうプラスアルファの面白さ。たとえば、オーケストラでずっとシンバル構えている人ね、ここぞってところで、「オッリャ〜ッ」って、たった一回そこで鳴らすだけでその人はニコッと笑える、これはパーカッションの意味あいとは違うかもしれないけど、パーカッションもタイコに絡ませるとそいつにしか出来ない、えもしれぬグルーヴ感っていうのもあるんだけど、一瞬「(今の音)誰が出したの?」っていう味付けの部分がパーカッションだと思うんだ。
ノブ:嬉しいな、パーカッションの存在がわかっている人と話しすんのオレ(笑)。
♪7月7日 根本:僕は曲先(きょくせん:詩よりもメロディーを先に創る)で出来るのが遅いの。降りてくるのを待っているというか。メロディーにでたらめな日本語をのせるのね。断片的に入っている言葉を拾って、この曲がこういう言葉を求めているんじゃないかって探ろうとするの。そうすると詩の世界の骨格が見えてくる。そうするとね、サザンもそうだけど、服部良一さんの詩と曲の貼り付きのよさみたいなものが生まれるんだ。サザンのファーストアルバム良く聴くけどあれもすごいと思ったね。
ノブ:織田哲郎ってね、オレもレコーディングに立ち合ったことあるけど、最初にでたらめ英語で歌うんだよね、矢沢(永吉)もそうだし。みんなデタラメ日本語英語が曲に付随していて、そこから自分で言葉を探っていくの。
根本:俺たちの曲なんてさ、とんちんかんなのいっぱいあるの。「ブラックペッパーのたっぷりきいた私のつくったオニオンスライス」って曲はみんなで合唱するんだけど、終わって冷静になると「何だったんだろう?」って思う。でも出てきちゃったんだもの。だからそのままいくしかないって(笑)。だから、僕はつたなくてもできるだけ日本語をのっけて、日本語のオイシさを使おうって思っている。何度も聴いて言葉を拾い直して歌詞にすると、言葉とメロディーの貼り付き方っていうのがね、特にサビはノリが気持ちいいもんね。だから、僕の作る曲は、絶対字余りにならないもんね。
♪ブラックペッパーのたっぷりきいた私のつくったオニオンスライス ノブ:そうやって生まれてきた歌詞が、ライヴの途中に真っ白になっちゃうことってない?
根本:歌詞は忘れることがあって当り前だと思っている。僕にとっては「正しい歌詞」がないんだ。基本的に歌詞は覚えない。だってオレの歌だから。ライヴアルバムにだって「この歌詞は○日○日現在の歌詞です」って書いてあるし。交通情報と同じで、今日の一番正しい歌詞で歌うんだ。歌詞のために曲が死んじゃうのは嫌だしね。
ノブ:ライヴはね、それくらいのノリがないとね。
根本:もうね、ライヴやると楽しくてしょうがないのね、レコーディングでも俺は真剣に歌うのね、全身全霊をかけて「どうだ〜!」って歌っても、トークバックで、「ハイ!OK」で言われるだけだもんね。でもお客さんは、拍手してくれるし、ぐぁ〜って言ってくれる。でも、レコーディングをしないとライヴに行かしてくんないから(笑)、とにかくライヴに行くためにアルバムをつくっている。
ノブ:シングルのベストとスタジオでの一発どりの2枚組っていうのが20周年記念で出たんだって?これってレコーディング盛り上がったんじゃない?
根本:あんなに真面目に演奏したことない(笑)。だってね、今のレコーディングって何回も取り直しできるから何度も新しい曲をクリエイティブにチャレンジしていこうとするわけですよね。でもスタジオライヴっていうのは今までずっとやってきたことを一番カッコ良く聴かせたいっていうのがあるから、ものすごい真剣ですよ。これがね、お客サンを入れるともっとリラックスできるんですよ。でも何で入れなかったかというと、俺はね、お客さんを入れるとはしゃいじゃうんだよね。やんなくてもいいことやっちゃったり、音が出て無かったりしてスカスカになっちゃうでしょ。
今回、アルバムには東京メドレーっていう風にして、銀座ネオンパラダイスっていう僕らのオリジナルと、銀座カンカン娘、東京ブギウギまで、服部良一トリビュートという形にして入れてみました。
ノブ:その選曲の仕方がスタレビにあってるよね。
根本:ベストアルバムという形態ではめずらしいですよね。本来入れるべきじゃないのかもしれないけど、でもあえて入れてしまった。
ノブ:これからの根本要、スターダスト・レビューはどういうふうに生きていくの?
根本:こうして音楽をやっていられるのは、僕らの前にいた世代が音を作りつづけてくれるからなんですよね。ロックが高齢化してるじゃないですか。それは決しておかしくないし、幅広い人たちが世代を越えて音楽を聴けるような世界を作りたいと思っているの。オレ達の音楽を10代の子が聴いてくれても60歳の人が聴いてくれてもいいし、20代だって演歌聴いてもいいし。世代によって聴く音楽が決まってきてほしくない。売れている音楽だけがピックアップされる時代だけは避けたい。デビューしてから売れる人っていうのは1割満たないですよね。なんで消えちゃうかっていうとレコードが売れないからなんだと思うけど、レコードって売るなら何万人を相手にしているでしょ、ライヴっていうのはその場にいる10人20人単位なんですよね。スターダスト・レビューは最低でお客さん10人っていうのがあった。でも今ではその街で一番大きなホールでできるようになった。いつまでも「スターダスト・レビューだってなんにも(ヒット曲が)なかったのにあそこまでいったんだから・・・」と言われるようなポジションに僕等がいられたら、今の若いバンドが、たとえ売れなくても、いわゆるテレビという媒体に乗らなくてもライヴをやりつづけてくれるんじゃないか、って思うんだ。せっかく僕らがかつて山下達郎、大滝詠一たちが作ってくれた音楽からもらったエネルギーを、今度は次の世代に伝えたい。でも残念ながら、今はロックがカネになる時代だから、ふるい分けがはっきりしちゃったんだよね。別にカネにならなくても音楽が好きではじめたんだったら細々とでもやり続けていくことはできるよ、ってそう思ってもらえるような存在でありたいから、ライヴはこれからもずっと続けていくと思う。ライヴっていいよ、だって、多少失敗してもお客さんは喜んでくれるんだから(笑)。
ノブ:そうライヴっていいよね。じゃぁ、ここで、何かやらないとね。何をやるかは聴いてのお楽しみにってことで。2週間どうもありがとうございました。
ノブ:最後の生演奏はね、ああいった形で二人だけでやるのは織田哲郎以来だね。それにしても、あいつ、いい声してるね、心にしみる感じだね。今度なんかあったらまたやりたいな。
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